「旅のたね」特集1 麺好きのまちの製麺所

「まえばし旅のたね」第一弾は" 製麺所 "

豊かな陽光、清らかな水、そして、冷たく乾いた空っ風が吹く。自然条件に恵まれた前橋市は良質な小麦の産地。うどんを代表とする粉物の食文化が定着、蕎麦やラーメン、パスタも含めた“麺食い“が多い。美味しいと評判の専門店に行くもいいし、自分で打つのもいい。でも、もっと手軽に、しかも美味しい麺々に出会える方法がある。麺作りのプロ、製麺所にはさまざまな麺がそろっている。きっとお気に入りがある。
さあ、GOTO製麺所―。

石田製麺工場

  • 店舗外観

    店舗外観

  • 店舗内観

    店舗内観

  • オリジナルの麺が並ぶ店先

    オリジナルの麺が並ぶ店先

  • 実食した黒めんめ

    実食した黒めんめ

  • 製麺工程の麺の様子

    製麺工程の麺の様子

  • 素麺の手動切断機

    素麺の手動切断機

  • 特注の切り場が多数

    特注の切り場が多数

  • お話を伺った石田専務

    お話を伺った石田専務

小麦にこだわり自家製粉  親子で営む赤城山麓直売の製麺所
赤城南麓の老舗製麺所
製麺工場に隣接した製粉所で、厳選した小麦を使う分だけ製粉する。
「ここは写さないでね。秘密だから」。小麦粉の種類が分かる保管場所は撮影NG。石田淳社長は小麦にこだわる。
直営の店舗ではさまざまな生麺や乾麺のほか、自家製粉の小麦粉が並ぶ。農林61号を見つけた。伝統的な群馬の地粉だが、最近は後継品種に押され、見かけなくなった。「昔はどの家でもこれを打った。独特の味がいいね」とほれこんでいる。 農林61号を使った生麺が「黒めんめ」。色は黒く太い。
実食した黒めんめ

人気店の味を家庭でも
一番人気の「麺いち」は手打ち風。尾島産生ヤマトイモを練りこんだ乾麺そば、地粉に県産ホウレンソウを練りこんだ生パスタもある。ラーメンも種類が多い。業務用の麺は太さ、長さ、色、形状をすべて指定してくる。
店頭では小売りもしていて、「〇〇店の麺です」と表記している。人気店と同じ麺を買い求めることができるわけだ。
他店に比べて、麺の量も比較的多いとのことで、食べ応えも十分。一部は市内の農産物直売所やスーパーでも手に入れることができる。

新たな麺の魅力をお客様に
3代目となる専務・亮さんは麺の新たな魅力を追求している。
オリジナル麺の開発に力を入れるとともに、近所の料理研究家、金澤亜希子さんが監修したレシピをお客さんに配っている。同じ麺でも基本とアレンジの2種類あり、食べ比べできる仕組み。「ベトナム風ラーメンやツナ缶のサラダつけ麺もあります。いろいろな麺料理を楽しんでほしい」と願っている。

お話を伺った専務

主な商品
麺いち(3人前)340円
黒めんめ(2人前)260円
地粉太うどん(2人前)160円
ほうれんそ草うどん(2人前)210円
ほうれんそうパスタ(2人前)210円
実際に食べてみました
実食コラム(石田製麺工場)

実食コラム(石田製麺工場)

「黒めんめ」を煮込みに

黒めんめをレシピ通り煮込みにしてみた。
だし汁を張った鍋に鶏もも肉、ダイコン、ニンジン、シイタケ、シメジを入れて中火にかける。沸騰したら弱火にして、うどん、白菜を5分ほど煮て、酒、醤油、味噌で味付けし、さらにしばらく火を入れる。 熱々をいただこう。
うどんは煮込んでもコシの強さを感じる。好みでクタクタにしてもいいかも。生麺を下茹でせずに煮込んだため、汁にとろみが付いてお切り込みのよう。寒い日には最高のご馳走うどん。夏にフーフーいいながら食べるのもまたいい。
(ライター/Kaz.A)
 

粕谷製麺

  • 店舗外観

    店舗外観

  • 店舗内観

    店舗内観

  • 店舗内観

    店舗内観

  • 工場外観

    工場外観

  • お話を伺った粕谷専務

    お話を伺った粕谷専務

前橋土産におすすめ  ねじれ、竹割…個性派の麺
大手にはできない手間から生まれるねじれ麺
小麦の甘い香りが工場に漂う。群馬県生まれの地粉「つるぴかり」をラインに投入すると、適量の塩水が加わり、製麺が始まる。
水回し、こね、のしといった工程を最新の機械が担う。裁断された麺は一本一本、ねじれがある。「この麺の形状が食味向上の最大の武器です。」。作業着姿の五代目、粕谷寿和専務が言葉に力を込める。ねじれが弾力と喉越しを生み、汁との絡みもよくするのだという。
特徴のあるねじれ麺

手間をかけ「手」を感じる味を届けたい
粕谷製麺所は一世紀余の歴史を誇る。水車で粉を挽いてうどんを打ったのが始まり。機械化されても原点は忘れない。加水率、塩分濃度を天候で微妙に変更。職人の勘を大事にしている。
ねじれ麺のほか、竹の節の模様になった竹割麺、幅が不揃いの乱切り麺と個性的な麺が並ぶ。 最も手間がかかるのが手延麺。生地に油を塗り、時間をかけて熟成させながら手で引き延ばす。そうめんに似た技法だ。乾燥まですべての工程に3日間を要し、少量しか製造できない。
「会社を大きくしようとは考えていない。自分の目の届く範囲で美味しものをずっと提供したい」と粕谷専務。代々伝わる、顧客から根強く支持された味を守るため、決して手間を惜しまない。
お話を伺った粕谷専務

主な商品
上州地粉ねじれうどん
(単品220円、12束入り2640円)     
手延うどん
(単品400円、5束入り2200円)     
竹割うどん
(単品194円、20束入り3880円)
実際に食べてみました
実食コラム(粕谷製麺)

実食コラム(粕谷製麺)

看板メニュー「上州地粉ねじれうどん」を熱々つけ汁で

看板メニュー・上州地粉ねじれうどんを、ナスとキノコの熱々の汁でいただいた。
たっぷりの湯で10分茹で、素早く冷水で締める。みずみずしいうどんは飴色に輝く。乾麺の状態よりは少なくなったものの、ねじれが確認できる。まずは麺だけ。つるつるした喉越し。もちもちの食感。期待が高まる。汁に付けて。確かによく絡む。麺が汁を持ち上げてくるような感じ。
細い麺だが、意外とカレーうどんにも合うかもしれない。
(ライター/Kaz.A)

温井製麺

  • 店舗外観

    店舗外観

  • 店舗外観

    店舗外観

  • 直売所の様子

    直売所の様子

  • やきそばも人気

    やきそばも人気

  • お話を伺った西田取締役

    お話を伺った西田取締役

直営うどん店は大人気  秘密は茹でたて長持ちの真空麺
作りたてを食せる人気のうどん店
「肉汁の大盛り」「ぬく盛り(冷たい汁で食べる定番メニュー)ね」。暖簾がかかる午前11時。常連客がどっと押し寄せ、次々に注文する。
メニューはカレーを除くとすべてつけ汁のうどんのみ。せいろに盛られたうどんは瑞々しく、みな豪快に音を立ててすする。 超人気のうどん店は店名通り、製麺所の直営店。店舗の裏側にある工場でその日の朝、製造されたうどんが提供される。
肉汁うどん

卸先は給食から人気ラーメン店まで
本業である工場を覗いてみよう。製麵機は給食など業務用の大型と飲食店向けの小型、2つのラインが並ぶ。「こねるときに真空状態にするのが特長」と現場責任者の西田昌央取締役。生地がぎゅっと締まり、茹でてものびにくくなるという。 原料や麺の太さ、形状など注文によって様々な麺を製造する。群馬県産の小麦に特化したり、ホウレンソウを練りこんだラーメンやニンジンうどんもある。小型のラインは包丁で切ったような麺切ちができ、手打ちのような食感が楽しめるという。
麺を卸す先は100軒ほどあり、「名前は言えないが、有名なうどん店やラーメン屋さんもある」と西田さん。うどんが主力ながら、隠れたファンが多いのはやきそば。太く丸い麺はもちもち感がして、麺食いにはたまらないようだ。
お話をうかがった西田専務

主な商品
生うどん(1㌕・6人前)420円
生そば(1㌕・6人前)430円
焼きそば(200㌘・1人前)65円
腹どけい(300㌘×10個)2700円
実際に食べてみました
実食コラム(温井製麺)

実食コラム(温井製麺)

直営店でいただく熱茹でたての麺

せっかくなので直営店で実食。常連客の要望で始めた新メニュー、肉・きのこミックス(並600円)を注文してみた。 打ち立て、茹でたての麺は確かに手打ちのよう。並盛りでも400㌘と相当な量がある。中細でウエーブが少しかかる。熱々の汁には豚バラ、シイタケ、マイタケ、シメジとネギがたっぷり。プーンとキノコの香りが漂い、肉の旨味が溶け出している。 冷たいうどんを汁に付ける。瞬間、麺がふわっと広がる。柔らかく、しかしコシがある。
(ライター/Kaz.A)

山岸製麺

  • 店舗外観

    店舗外観

  • 店先で一玉から販売

    店先で一玉から販売

  • 歴史を感じる面箱

    歴史を感じる面箱

  • 新旧のはかりを使用

    新旧のはかりを使用

  • 特注の麺

    特注の麺

  • 店に合わせたオリジナル麺

    店に合わせたオリジナル麺

  • 太さも打ち方も様々

    太さも打ち方も様々

  • お話を伺った岩田社長

    お話を伺った岩田社長

行列のラーメン店・人気うどん店  麺はプロにお任せ
業務用麺類を製造する製麺所
前橋駅に程近い場所にある山岸製麺さんは、業務用麺類の卸販売を主力としている。
取引先は前橋市内を中心に約250カ所。行列ができるラーメン店やうどん店も数多く、こうした店の高い要求に応えられるよう、特注麺の開発に力を入れている。
お話を伺った岩田社長

食のプロが納得する麺を目指して
「店主が望んでいるもの以上の麺を作らなければ、製麺屋である意味がない。100点じゃだめ。120点の評価を得て、初めて納得してもらえるし、こっちもやりがいがある」。3代目となる岩田淳一社長は麺づくりに一切の妥協を許さない。
小麦粉の選択とブレンド具合、加水率、太さや長さ、縮れの有無、ラーメンであればかん水の種類に量…。限りない組み合わせの中から最適なものを選ぶ。そして、何度も試作と試食を重ねる。「完成までに3カ月以上かかったこともあった」 「熱心な店主さんは製麺室に入って一緒に作る。そんなときは製麺のプロの技術と意地を見せつける」。自家製麺を売りにしていた有名なラーメン店で、山岸製麺の麺の出来に脱帽して注文するようになった店もあるという。それだけに、同じ麺は決して作らない。どの麺もオリジナルだ。
オリジナルの麺

店先では一玉から購入可能
店の入り口に小さなカウンターがあり、小売りにも応じている。中華麺は1玉わずか80円。別売りのスープやメンマを添えれば、200円もしないで本格ラーメンが楽しめる。

主な商品
中華麺(細・太)  80円
焼きそば麺     80円
生うどん     250円
生そば      300円
ミツビシソース  600円
実際に食べてみました
実食コラム(山岸製麺)

実食コラム(山岸製麺)

前橋の伝説の店のオリジナル麺に挑戦

焼きそばの麺はオリオン通りにあった伝説の店「あくざわ」の特注。流れを汲む「あくざわ亭」(前橋市千代田町)でも使っている。極太の蒸し麺は焼き方が難しい。「無理じゃないの」と笑う岩田社長に教わり、挑戦してみた。
沸騰した湯で2分茹でたら、ヌメリを取るため水洗い。ザルにとって油を絡ませておく。油はコクを出すのならラード、さっぱり派はサラダ油。ソースを麺に吸わせ焦がすように焼くのがポイントだ。ソースは前橋産の「ミツビシ」で決まり。焦げた麺が香ばしい。恐ろしいほどの噛み応え。あー、懐かしい。
(ライター/Kaz.A)

●特集掲載店マップ

●特集掲載店マップ
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